【第1回】クレジットスコアとは?仕組みやスコアアップの具体策について解説|アメリカ駐在クレカ戦略
はじめに:クレジットスコアって何?
アメリカでは、クレジットスコアは「お金の信用度」を数値化したもの。
スコアは通常 300〜850点の範囲で表示され、高いほど信用力があると判断されます。
アメリカでクレジットカードを申請すると、このスコアが参照されて審査結果に影響します。
アメリカでクレジットカードを申請するには670が最初の目安です。
駐在員は基本的にクレジットスコア0からのスタートです、670を最初の目標としましょう。
影響する場面:
- クレジットカードの審査
- アパート契約
- 自動車・住宅ローンの金利
クレジットスコアはどうやって決まるの?
アメリカでは、以下の3つの信用情報機関(Credit Bureaus)が個人の信用情報を収集・管理しています:
| 機関名 | 特徴 |
|---|---|
| Experian(エクスペリアン) | 世界最大級の信用情報会社。自社サイトでスコア確認可能。 |
| Equifax(エクイファックス) | 金融機関との連携が多く、住宅ローン審査にもよく使われる。 |
| TransUnion(トランスユニオン) | クレジットカード会社との連携が強く、Credit Karmaで無料確認可能。 |
これらの機関が、あなたの支払い履歴や借入状況などをもとに、それぞれFICOスコアやVantageScoreといった数値を算出します。
それがあなたの信用を示すスコアになります。
3つもスコアがあるけど、どれが大事なの?
クレジットカードを申請すると、クレジットカード発行会社はそれぞれの会社、地域によって異なりますが、上述のどこか(または複数)から申請者のクレジットスコアを参照し、審査に活用します。
つまり、どのカードをどの地域で発行するかによって、どのスコアを参照されるのかは決まりますが、基本的にはクレジットカード発行会社が決めることになります。
スコアの目安と評価基準
| スコア範囲 | 評価 | 信用度の目安 |
|---|---|---|
| 800〜850 | Excellent | 最優遇。ローン金利も最低水準 |
| 740〜799 | Very Good | ほぼすべての審査に通過可能 |
| 670〜739 | Good | 平均的。多くのサービスに対応可能 |
| 580〜669 | Fair | 信用リスクあり。高金利の可能性 |
| 300〜579 | Poor | 審査に通りにくく、保証金が高額になることも |
アメリカでクレジットカードを申請するには670が最初の目安です。
カードには難易度があり、申請するにはスコアが720以上はあったほうがよいケースもあります。
駐在者が直面する「クレヒス0」の壁とは
アメリカでは信用履歴がないとカード審査が通りにくく、生活にも支障が出ます。駐在者は以下のような課題に直面します:
- SSN取得直後で履歴がゼロ(スコアはSSNに紐づきます)
- 日本の信用情報が引き継がれない(スコア0からの出発です)
- 家族カードや会社カードではスコアが育たない
- スコアがないとカードが申請できない、でもカードがないとスコアが育たない!?
補足:信用履歴ゼロでも発行可能なカードは限られており、戦略的な選択が必要です。
スコアの計算要素(FICOスコア)
| 要素 | 割合 | 内容 |
|---|---|---|
| 支払い履歴 | 35% | 期日までに支払いをしているか |
| 利用率 | 30% | クレジット枠に対する使用割合(30%以下が理想) |
| 信用履歴の長さ | 15% | クレジット利用の期間 |
| 新規クレジット | 10% | 最近の申請状況 |
| クレジットの種類 | 10% | カード・ローンなどのバランス |
スコアはクレカを使うことで育ちます、重要なのは、
とにかく毎月の支払いをきちんと行い、利用率を低く抑えることが最速でスコアを上げる方法。
【重要】どうすればスコアはあがるの?
- 基本的にクレジットカードを使用して、返済していくことでスコアがつきます。
支払いを初めて、私の場合は3~4ヶ月くらいたって、TransUnionとEQUIFAXのVantageScoreがつきました。
ここに記載している事項を守っていれば、その時点でスコアは720程度まで上がります。
多少差はあれど、一声、6か月たてばスコアが安定して700は超えてくると思います。 - 支払いは必ず期日までに(遅延なく返済できるかをみられる)
信用情報機関は、あなたのクレカの締め日(Statement closing date)時点の、未支払い残高(Balance)の額を参照します。
つまり、このタイミングでの残高を低く抑えることがコツです。 - 利用率は30%以下に抑える
例えばカードの限度額が$1,000なら$300以下、お金を借りすぎない程度の生活レベルかをみられる。
複数カードを所持する場合、これは各カードごとに30%が好ましい。
筆者推奨は10%以下です、基本的に残高が増えたらこまめに支払いをして、常に10%以下をキープするとスコアの伸びがよいです。
大事なのは、クレカの締め日(Statement closing date)に0%にしないこと。
クレジットカードを使っていないとみなされてしまうので、最低でも数%は残高を残しておきましょう。 - 古いカードは解約せず保持する(カードの保有期間の長さがみられる。)
最も保有期間が長いカードの情報と、全カードの平均保有期間が参照されます。
1年以上保有しているカードがあると審査に有利です。 - 短期間に複数のカード申請は避ける(複数申請はお金に困っているとみられる可能性もある。)
基本的には3ヶ月に1回という申請サイクルがおすすめです。
なぜなら、新規にクレカを申請した場合、クレジット会社は信用情報機関に、申請者が直近は3ヶ月で何回クレカを申請したか?という回数を参照しに行きます。
つまり3ヶ月たてば、直近の申請状況は0とみなされるので、基本的には3ヶ月に1回というサイクルが推奨されるのです。 - ローンや家賃支払いも信用履歴に加算される
ローンは、あまり駐在員には関係ないかもしれませんが、クレカ以外の返済によってもスコアは構築されます。
日米のクレカ支払い方法の違い
日本では「一括払い」が当たり前。でも、アメリカでは「Minimum Payment(最低支払額)」という概念があり、支払い方法そのものが根本的に違うので注意が必要。
日本のクレジットカード支払い:自動引き落とし型
日本では、クレジットカードの支払いは以下のような選択肢があります:
- 一括払い(最も一般的)
- 分割払い
- リボルビング払い(毎月一定額を支払う方式)
- ボーナス払い(夏・冬のボーナス月にまとめて支払う)
そして、支払いは登録した銀行口座から自動引き落としされます。
利用者は「支払う」という意識が薄く、請求書を見て残高を確認するだけで済むことが多いです。
アメリカのクレジットカード支払い:自己管理型
一方、アメリカでは支払い方法が根本的に違います:
- 毎月「Minimum Payment(最低支払額)」と「Payment Due(支払期限)」が通知される
- 利用者が自分で支払額を決めて送金する(最低額以上ならOK)
- 支払い方法はオンライン送金、銀行振替、小切手など多様
- 自動引き落としは設定しない限り行われない
つまり、アメリカでは「借金をどう返すか」を毎月自分で決める必要があります。
資金に余裕があれば全額返済、厳しければ最低額だけ支払う…という選択が可能です。
利息と信用スコアへの影響
| 項目 | 日本 | アメリカ |
|---|---|---|
| 利息発生 | リボ払い・分割払いのみ | Minimum Paymentのみだと高金利が発生 |
| 信用スコア | 外形的信用(年収・勤務先)重視 | 個人の返済履歴が中心(FICOスコア) |
| 支払い遅延 | 信用情報に傷がつく | スコアが大きく下がる+ペナルティ |
アメリカでは、毎月の支払い履歴が信用スコアに直結します。
最低額だけ払っていると「借金を返す能力が低い」と判断され、ローンや住宅購入に不利になることも。
❌ スコアを下げるNG行動
- 支払いの遅延(数日でも影響あり)
- 限度額ギリギリまで使う
- 頻繁なクレジット申請
- 古いカードの解約
スコアの確認方法(無料)
筆者はCredit KarmaとExperianの2つを使用しています。
Experianは更新が早いのですが、無料だとExperianのFICO SCOREしかみれません。
Credit Karmaは、TransUnion、EQUIFAXの二つを無料で確認できるので、この2つで3大信用機関の算出するスコアを確認できます。
- Credit Karma:TransUnionとEquifaxのスコアを無料確認
- Experian:3大信用機関の1つ。公式サイトで確認可能
- Credit Sesame:監視・アラート機能も便利
- American Express:会員向けにFICOスコアを無料表示
まとめ:クレジットスコアは「育てるもの」
アメリカ生活では、クレジットスコアは信用の履歴であり、資産形成の土台です。
焦らず、コツコツと積み上げることで、生活の選択肢が広がります。
次回は、クレジットヒストリー(クレヒス)がゼロでも作れる、駐在員向けのクレジットカード選びについて詳しく解説します。
「渡米したばかりで信用履歴がない」「SSNがまだない」「審査に通るか不安…」という方でも安心して始められるよう、実際に筆者が発行したANA CARD U.S.A.の体験談をもとに、申請のコツや注意点をわかりやすく紹介します。
さらに、家族カードの落とし穴や、ジョイントカードという裏技的な選択肢まで、駐在生活を有利に進めるための戦略もお届けします。
