【第12回】アメリカ在住者向け:クレジットカード活用基本戦略まとめ|アメリカ駐在クレカ戦略

アメリカでは、クレジットカードを賢く使うことで、旅行費用を大幅に節約できるだけでなく、ポイントやマイルを通じて“ほぼ無料”で日本往復も可能になります。
本記事では、初心者でも実践できる「クレカ戦略」の基本から応用までを体系的にまとめました。
① 基本戦略:サインアップボーナスを狙え
クレジットカードを新規発行すると、一定期間内に指定金額(例:$3,000)を使用することで、数万ポイントがもらえる「サインアップボーナス」があります。
この条件を「ミニマムスペンド」と呼びます。
例えば、AMEX Goldパーソナルカードでは、通常オファーで60,000 MRポイントが獲得可能。
これをANAマイルに1:1で転送すれば、日本〜ハワイ往復(40,000マイル)や日本〜北米(50,000マイル)にも使え、10〜30万円相当の価値になります。
👉 基本戦略は、複数のカードを計画的に発行し、サインアップボーナスを繰り返し獲得することです。
② カード選び:目的に応じて最適化
まずは「ポイントをどう使いたいか」を明確にしましょう。
- 旅行派:エアラインマイルやホテルポイントに交換するのが最も高価値。
- キャッシュバック派:旅行に興味がない場合でも、現金同様に使える。
エアライン選びのコツ
自分の住む地域のハブ空港を基準に、主要航空会社を選びましょう。
日系企業・駐在員が多い都市とハブ空港一覧
都市名 | 空港名(コード) | 主なハブ航空会社 |
---|---|---|
ニューヨーク | JFK / LGA | Delta, American, JetBlue |
ロサンゼルス | LAX | American, Delta, Alaska |
シカゴ | ORD | United, American |
ダラス | DFW | American Airlines |
ヒューストン | IAH | United Airlines |
サンフランシスコ | SFO | United Airlines |
デトロイト | DTW | Delta Air Lines |
アトランタ | ATL | Delta Air Lines |
シアトル | SEA | Alaska Airlines, Delta |
ホテル選びのコツ
好みに応じて、ヒルトン・マリオット・IHG・ハイアットなどから選択。
特にヒルトンはカード発行でダイヤモンドステータス獲得が容易なので、初心者にもおすすめ。
柔軟性を求めるなら
- AMEXのMRポイント
- ChaseのURポイント
これらは複数の航空会社・ホテルに転送可能で、使い道の自由度が高いです。
それぞれ転送先に違いがあるので、最終的な使用エアライン、ホテルをイメージしながら作成していくのがよい。
③ 発行ルールを理解して計画的に
カードは無制限に発行できるわけではありません。
特に以下のルールは要注意:
カード会社 | 発行制限ルール |
---|---|
AMEX | 90日間に2枚まで申請可能 |
Chase | 24ヶ月で5枚以上のパーソナルカードを持っていると新規申請不可(5/24ルール) |
📅 目安としては3ヶ月に1枚のペースで発行し、ミニマムスペンドは保険料や帰国チケットなどの大きな支出に合わせて達成しましょう。

④ カード発行のタイミング:期間限定オファーを狙え
カード発行のタイミングは非常に重要。
クレジットカードは「いつ作るか」によって、獲得できるサインアップボーナスが大きく変わります。
通常オファーでは30,000〜60,000ポイント程度のボーナスが一般的ですが、期間限定の特別オファーでは、倍以上のポイントがもらえることもあります。
特別オファーの例
- AMEX Gold:通常60,000 MRポイント → 特別オファーで90,000〜100,000ポイント
- Chase Sapphire Preferred:通常60,000 URポイント → 特別オファーで80,000〜100,000ポイント
このような特別オファーは、年に数回のタイミングで出現します。特に以下の時期は要チェック:
- 新年度(1月〜3月)
- 夏の旅行シーズン前(5月〜6月)
- ホリデーシーズン(10月〜12月)
戦略的な発行手順
- 作りたいカードリストを事前に作成しておく(例:AMEX Gold → Chase Sapphire → Hilton Surpass)
- 次の発行タイミングでは、その中で最も条件の良いオファーが出ているカードを優先して発行
- 通常オファーしか出ていない場合は、待つという選択肢も戦略の一部
💡 特別オファーは、公式サイトだけでなく、紹介リンクや提携サイト経由で出ることもあるため、複数の情報源をチェックするのがコツです。
⑤ ミニマムスぺンドを達成し、ポイント獲得
支出をコントロールして、きっちりボーナスを回収しましょう。
⑥ 1年後の維持・解約戦略
年会費無料カードは基本的に維持
- クレジットスコアにおいて「保有期間の長さ」が重要。
- 長期保有カードを解約するとスコアが急落する可能性あり。

年会費ありカードは見極めが必要
- 年会費に見合う価値があるなら更新。
- 見合わないならダウングレードまたは解約。
💡 解約は最低1年間保有してから。早期解約は「ボーナス狙い」とみなされ、今後の審査に悪影響を及ぼす可能性あり。
🎁 解約時には「リテンションオファー」が提示されることも。更新の意思がなくても、オファーの有無を聞いてみる価値あり。
⑦ ビジネスカードの活用で戦略を加速
ビジネスカードはクレカ戦略の“裏技”とも言える存在。
クレジットカード戦略において、ビジネスカードの活用は必須級です。
個人カードだけでは限界がある中、ビジネスカードを加えることで、以下のようなメリットが得られます。
メリット
- 発行できるカードの種類が大幅に増える
- サインアップボーナスが大きいカードが多い
- Chaseの「5/24ルール」にカウントされない
たとえば、Chaseルールでは「24ヶ月で5枚まで」という制限がありますが、ビジネスカードはこの枚数に含まれません。
つまり、パーソナルカードを4枚に抑えておけば、Chaseのビジネスカードを追加で何枚でも発行可能です。これは非常に強力。
ビジネスカードは誰でも作れる?
「ビジネスカード」と聞くと、法人や大規模事業が必要と思われがちですが、実際は以下のような個人レベルの活動でも申請可能です。
活動例 | 申請可能なビジネス内容 |
---|---|
ブログ運営 | コンテンツ収益、広告収入 |
フリマ・転売 | eBay、メルカリ、Amazon販売 |
翻訳・ライティング | フリーランス業務 |
手作り品販売 | Etsy、BASEなど |
家庭教師・レッスン | 教育サービス |
申請時には「Business Name」や「業種(Business Type)」を記入する欄がありますが、個人名や“Sole Proprietorship”で問題ありません。
収益がまだ出ていなくても、「今後の予定」として申請できます。
戦略的な使い方
- パーソナルカードは4枚までに抑える
- Chaseの5/24ルールを回避するため
- ビジネスカードを優先的に発行
- Chase Inkシリーズ、AMEX Business Goldなどは高還元
- ミニマムスペンドをうまく管理
- 旅行予約、家電購入、帰国チケットなどのタイミングをカード発行にうまくあわせる
💡 ビジネスカードは、クレジットスコアにも影響しにくい(個人信用情報に反映されないことが多い)ため、戦略的に枚数を増やすのにも適しています。
おすすめのビジネスカード例
カード名 | 発行会社 | 特徴 |
---|---|---|
Chase Ink Business Preferred | Chase | 通常100,000 URポイントの大型ボーナス |
AMEX Business Gold | AMEX | MRポイントの柔軟な転送先が魅力 |
Chase Ink Business Unlimited | Chase | キャッシュバック型で使いやすい |
AMEX Blue Business Plus | AMEX | 年会費無料、2倍ポイントで日常使いに最適 |
ビジネスカードを活用することで、戦略の幅が一気に広がり、ポイント獲得効率も倍増します。
小さな活動でも立派なビジネス。
ぜひ、あなたのライフスタイルに合った形で取り入れてみてください。
まとめ:クレカ戦略は「計画×継続」がカギ
- サインアップボーナスを狙って複数カードを発行
- 自分の目的に合ったカード選び
- 発行ルールを守って計画的に進める
- 1年後の維持・解約戦略も忘れずに
- ビジネスカードでさらに加速
アメリカならではのクレカ制度を活用すれば、数十万円相当の旅行が“ほぼ無料”で実現可能。
ぜひ、あなたもこの戦略を取り入れて、賢くポイントを貯めていきましょう!