クレカ戦略

【第3回】Chase 5/24ルール|アメリカ駐在クレカ戦略

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駐在生活において、最重要ルールといっていいほどのルールです。

家族カードの罠と、ANAカード発行後の注意点についても解説します。

Chase 5/24ルールとは?

アメリカの大手銀行「Chase(チェイス)」が独自に設けている、クレジットカード発行制限ルールです。

なぜこのルールが重要かというと、Chase銀行が発行するカードは優秀なカードが多いからです。

一度このルールを踏んでしまうと24ヶ月という期間をかけて解除するほかありません。

駐在員という限られた期間でクレカの恩恵を最大限享受したい場合、不用意にルールに引っかからないような申請戦略が必要です。

ルールの概要

  • 過去24ヶ月以内に、個人名義で5枚以上のクレカ(パーソナルカード)を発行していると、Chaseの新規カード申請がほぼ通らない

    ここでのパーソナルカードは、Chase以外で発行したものも含みます。例えばAMEXのカードやANA CARD U.S.A.も対象としてカウントされます。
  • 家族カード(Authorized User)も「1枚」としてカウントされるため、注意が必要
  • ビジネスカードはカウントされない(かなり重要)
  • クレカを申し込んで審査に通らなかった場合はカウントされない、カード作成時にカウントされる
  • カードのアップグレード、ダウングレードはカウントされない
  • 作成したカードを解約しても、カウント枚数は変わらない
  • 一部のビジネスカード(Discover、Capital One)はカウントされる可能性あるとの情報

    つまり、過去24ヶ月以内にパーソナルカードを5枚作成してしまうと、その後はChase発行のパーソナルカード、ビジネスカードは作ることができないというルールです。

パーソナルカードとビジネスカード

文字通り、個人用カードと法人・事業主用のカードです。

名前に、Amex®Business Goldのように、ビジネスカードにはBusinessと入ることが多いのでわかりやすいです。

申請時点で、Personal、Businessで枠が分かれています。

ビジネスカードは、個人でも何か小さいビジネス(ブログ運営、フリマ、メルカリで趣味品を販売など)をしている、またはこれからしようとしている人であれば簡単に申請できます。

筆者もビジネスカードを活用しています。

パーソナルカードよりも、ビジネスカードはサインアップボーナスが大きく、ビジネスカードを使いこなすことがクレカ生活を充実させるうえで重要になります

つまり、Chaseルールにかからないように、いかにうまくChaseのパーソナルやビジネスカードを発行できるかが、どれだけボーナスを効率よく獲得できるかにつながります。

駐在者が陥りやすいパターン

ケース①:夫がANAカードを発行 → 配偶者が家族カードを追加

  • 配偶者のクレジットスコアは育たない
  • なのに配偶者の「1枚発行」としてカウントされる
  • その後、配偶者が自分名義のカードを申請しようとしても、これに気付いていないとChase 5/24に引っかかって却下される可能性あり

ケース②:渡米後すぐに複数のカードを発行

  • セキュアカード、ストアカード、銀行系カードなどを短期間に発行すると、あっという間に5枚に到達
  • Chaseの人気カード(Sapphire Preferredなど)が申請できなくなる

戦略的なカード発行のコツ

それでは、ルールを踏まえて戦略を立てます。

Chaseのカードは2年の間に5枚は申請できません。

理想は、常に24ヶ月期間でパーソナルカード発行枚数4枚という状態をキープすること。

それによって、Chaseのビジネスカードは自由に申請できますし、もしChaseのパーソナルカードで魅力的なオファーがあった場合、最後の1枠として使用できます。

そのためにも、最初の1枚目をどう始めていくかから考えていきましょう。

ケース比較:ANAカード vs セキュアカードから始める

比較項目ケース①:日本でANAカード発行ケース②:現地でセキュアカード発行
渡米前の準備日本でANA CARD U.S.A.を申請(SSN不要)渡米後にSSN取得 → セキュアカード申請
クレヒスの開始時期渡米直後からクレヒスが積み上がるSSN取得後からスタート(遅れがち)
スコア育成スピード比較的早く安定する(半年で申請可能)最初は遅いが、安定すれば強い
カードの種類FNBO発行のANAカード(Mastercard)Discover Secured、Capital One Securedなど
メリット・SSN不要で事前申請可能・日本語サポートあり・クレヒスが早く育つ・キャッシュバックやポイント還元がある場合も
デメリット・家族カードの扱いに注意(スコア育たない)・Chase 5/24ルールに影響・SSN取得まで時間がかかる・保証金が必要・最初は限度額が低い

個人的には、セキュアカードも、日本でANAまたはJALカードを発行してもスタートダッシュは大きく差がつかないと思います。

ただでさえ駐在生活のセットアップは大変なので、日本語で手続きができる点、ANA/JALカードの発行をお勧めします。

裏技:家族カード→ジョイントカードで致命傷を回避

  • 家族カードのままではいくら使っても妻のクレヒスは育ちません、しかもChase 5/24ルールのカード発行1枚にはカウントされるため、まさに無駄な存在。
  • 家族カードは「発行1枚」としてカウントされることには変わりないが、そのままの「発行1枚」の状態でジョイントカードへ切り替え可能

    私は、ANAへ問い合わせしてジョイントカードへの切替申請書類をメールで送付してもらいました。

    記入後にオンラインにて提出で手続きできました。申請には妻のSNNが必要です。
  • 配偶者がSSN取得後にジョイントカードへ切り替えれば、スコアが育つようになります。
  • さらに、夫が育てたクレヒスをそのまま配偶者に共有できるので、いきなり高スコアで申請可能

    つまり、夫が先に赴任するケース。3か月ほど夫がクレヒスを育てたころに家族で渡米、すぐに配偶者がSNNを取得してジョイントカードへ切り替えると、夫の3か月分のスコアを共有する形で妻のスコアが形成されます。

    つまり、渡米してすぐで3か月の履歴からスタートできる。

まとめ:駐在者こそ「枚数管理」が重要

クレジットカードは「数を持てばいい」わけではなく、戦略的に発行することが重要

特にChase系カードは、旅行保険・ポイント還元・提携航空会社との相性が良く、駐在者にとって非常に魅力的です。

次回は「おすすめのクレカ発行順序」をテーマに、具体的なカード選びを解説します!

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アルマジロ夫婦
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