駐在1年目のリアルな英語力:TOEIC850でも苦戦したアメリカ生活の実態

渡米時の英語スペック:TOEIC850でも安心できない
渡米前の英語力はTOEIC850点。海外出張もそれなりにこなしており、英語が第2言語の欧州ビジネスパーソンとは最低限の意思疎通ができるレベルでした。 「アメリカでもなんとかなるだろう」と思っていたのが正直なところです。
リスニングは伸びた、でも“想定外の壁”も多かった
1年経ってみて、リスニング力は確実に伸びました。特に、日々接する頻度が高い人ほど、何を言っているかがわかるようになってきました。
- 同僚の英語 → 一番聞き取りやすい
- 他社のアメリカ人 → やや難しいが慣れてくる
- スーパーや飲食店の現地アメリカ人 → 最難関。容赦ないスピードで話しかけてくる
この順番で難易度が変わるのは、英語のリズムや声質に慣れるかどうかが大きく関係しています。 特定の人の英語は聞き取れるようになっても、初対面のアメリカ人の早口英語にはまだ苦戦中です。
スピーキングは伸び悩み:流暢さと発音の壁
リスニングに比べて、スピーキングは思ったより伸びていません。 これまでの英語経験で最低限の主張はできますが、少し込み入った話になるとニュアンスが伝えられない。
- 中学英語で「言いたいこと」は言える
- でも「どう伝えるか」「どう聞こえるか」が難しい
- 発音・流暢さ・語彙の不足を痛感
この壁に気づいてから、アメリカ人ネイティブとの英会話を開始。会話はできるものの、成長に限界を感じる場面も多いです。
声質とスピードの壁:オンライン英会話で多様性に慣れる
リスニング力は「その人の声質や話し方」に大きく左右されます。 特定の講師の英語は聞き取れても、ビジネス現場で出会う多様な声質には対応できない。
特に苦手なのが:
- 低い男性の声
- アメリカネイティブの高速英語
この課題に対応するため、現在はオンライン英会話に移行し、スピーキング強化+多様な声質への慣れを目指しています。

成長は“思ったほどではない”、でも確実に変化はある
1年を振り返ると、「思ったより英語力は伸びなかった」というのが正直な感想です。 ただし、確実にレベルアップした部分もあります。
- 細かい内容がわからなくても、文脈から全体の流れをつかむ力がついた
- わからない時に堂々と「わからない」と言える度胸がついた
- 聞き返す勇気と図々しさが仕事を支えてくれている
英語力の伸び以上に、英語で仕事をするための“姿勢”が鍛えられた1年だったと感じています。
結論:TOEICでは測れない、駐在英語のリアル
TOEIC850でも、アメリカ生活は英語の壁だらけ。 でも、毎日英語にさらされることで、確実に“使える英語”は育っていく。 そして何より大事なのは、わからないことを恐れず、聞き返す勇気と継続する姿勢。
駐在1年目の英語力は、「完璧じゃないけど、仕事はできる」。 それがリアルです。
